あーちゃんの事。

あーちゃんとは、昔の親友のことだ。

中学時代から、急速に仲良くなって、母から、

あんたたちが帰るときは、ずいぶん前から、賑やかにきゃあきゃあ笑い声が聞こえるからすぐに判ると、言われていた。

ずいぶん離れた彼女の自宅にも泊まりに行ったものだ。冬の寒い時だったのだろうか。。。

納屋の二階の彼女の部屋にお母さんがふかふかにした暖かいお布団を敷いてくれて、今でもその温もりは忘れない。

夏は、近くの川で二人で泳いだ。

海で泳ぎなれている私にとっては、塩辛くない川は、なんとなくぬるりとして、気持ち悪かった。

高校に入ってからは、交換日記をするほど仲が良かった。

彼女は色こそ浅黒かったが、私と違って、美人でスタイルもよく、頭もよかった。

きっとモテていた筈だ。

高校のときは、彼女に代わって、男子に告白に行ったことがある。

でも、あっさり彼女がふられたのは、驚きであったが。。。

彼女は隣の県の教育学部に入学して、私は滑り止めの京都の短大に入学する。

離れてはいたが、夏休みなどよく逢っていた。

彼女の父親は早くに亡くなり、彼女のお母さんが、公民館などの管理人をしていたが、生活保護家庭であったことを知ったのは、そのころであっただろうか。。。

彼女は自分に絶対の自信があり、当時医学部の学生と付き合っていて、私ほどの女を振る男なんていない!  と、自慢していたものだ。

確かになあ。。。と思いつつも、過信しないほうが良いよ、とアドバイスした気がする。彼女にはめっちゃ嫌がられたが。。

それから、何年かたって、彼女が結婚すると言ってきて、相手の男性が全く職種の違うなかったから。男性と知って、又驚いた。姿かたちも、想像していた感じと全く違っていた。

彼と一緒に3人でご飯も食べたけれど、その人に必要以上に甘える彼女にも妙な違和感があった。彼は彼女にぞっこんという感じではあったけれど。

医学部の彼とのことはそれ以来聞いていない。