母のその後。
当然のことながら、 母はすっかり年取ってしまった。
きっと彼女は最後まで、あの気味悪いゆうのことを信じていたに違いない。
取り返したお金は半分になってしまったが、きっとあいつの家族はばらばらになったに違いない。
ふつうの泥棒ではない。認知症の老婆を色仕掛けで、言葉たくみに騙したのだ。
子どもが二人いると言っていたが、彼らが大人になるにつれて、父親が一体何をしたのかを理解して、胸が悪くなるに違いない。子どもも被害者であるに違いない。気の毒である。
それで200万はあきらめるしかないだろう。
帰ってきた200万のうち、デブの弁護士にほぼ100万取られている。あんたさあ、ろくな仕事していないくせにあんたも泥棒じゃないかと言ってやりたい。
残りの100万は、兄が死ぬまでお世話になった施設に寄付した。
兄の名前を付けた倉庫にしてもらった。
母の分を建て替えたのは私で、まだ、返してもらっていない。しかたないか。。。
施設の職員さんは良かった。みな親切であった。
寄付のあと、経営者にあったが、なんてことない。お礼も何もなく、世話してやったのはあたしだよ。と言わんばかりであった。内心あきれた。
経営者とは、あの程度のものかもしれないね。
兄をみおくってから、母はほとんどの時間寝ていた。
おなかがすいたり、トイレに行きたくなったら、起きるだけ。
掃除も洗濯もほとんどしないが、顔を洗うために風呂にはいり、朝は、デイサービスのお迎えが来るからと、私が電話で起こすときれいに化粧をしていた。
しかし、それも長く続かず、警備のために入れていたセコムさんにお世話になるのもしばしば。。。
お風呂から上がり、どうしていいかわからず、裸でふとんの上に座っていたこともあるらしい。
デイサービスの運転手さんに、
もう、おかあさん、一人暮らしは限界だと思うよ。と告げられる。