婿のこと。
婿は苦手だ。いや、好きになれない。
婿と初めて会ったのは、彼が研修医のときだった。
娘が、網膜剥離で入院していたとき、うすうす聞いていたから、大学病院の廊下で、すれ違ったとき、ネームプレートを見て、すぐに気が付いた。
なんと、頼りなさそうな八の字眉。。。背は高いのに、背中を丸くして、とぼとぼ歩いている。ほんとうに、彼と交際しているのだろうか。。。
たしか、彼女も面食いだったはず。。。
私たちは結婚に反対であった。彼が横着にも二股かけていると知った時から。
息子と主人と3人で反対した。 そんな靴つのキレない男はだめだと。
しかし、話は、一変する。なんと、できちゃったのだ。
あの真面目な娘が、まさか、、と考えている暇などない。
どんどんおなかは大きくなっていく。先方ともすぐに顔合わせをする。
8月に初顔合わせをしてから、あちらのお母さんと意気投合。
おなかの大きくならないうちに、幸いに空いていた日取りの9月の27日に決定。
ホテルニッコーだから、安くはないが、お互いの中間地点でということで、福岡に決まる。すさまじい速さと、決定力。
そしてその前に結納。こちらに、ご両親が来てくださった。
結納金200万と200万の指輪と100万の真珠のネックレス。
彼に似合わない、立派な開業医のご両親である。
ご自宅に訪問した時もそうであった。立派な蔵があり、家は自動ドア。一回のフロアは広々していて、真ん中に螺旋階段。そくて、高価な絨毯があちこちに敷き詰められている。
絨毯好きな私にはわかる。あれは500万ぐらいするものだと。それが、何枚も、
どうやら、大理石の床が、冷たくて、危ないからだそうである。
婿殿ではなく、あちらのお母さんが気に入ったといっても過言ではない。